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【製造業のDX化#4】ゼロから見えるDX

紙ゼロ、ルーティンゼロ、残業ゼロの未来へ/代表取締役 田中 秀範

 

 デジタルトランスフォーメーション(DX)は、企業が革新的なテクノロジーやプロセスを活用して、競争力を高め、持続可能な成長を遂げるための鍵となっています。しかし、DXを実現するには、従来の方法を見直し、新しいアプローチに切り替えることが不可欠です。従来の方法を一新するには反発もありますが、代表が率先して改革を進めることが重要だと考えています。

 株式会社テルミックでは、”紙ゼロ、ルーティンゼロ、残業ゼロ”という3つのゼロアクションを推進することで、DXの実現に大きく近づくと考えています。デジタル化によって情報の透明性が向上し、意思決定が迅速化され、従業員はより意義ある業務に集中できます。そして、持続可能な競争力を持ちながら、働き方改革を通じて従業員の満足度を向上させていけば、企業と従業員双方だけでなくステークホルダーの皆様にとっても充実した未来を築くことができるでしょう。

 

1.紙ゼロ:デジタル文化の確立

紙を排除することは、情報の迅速な共有と効率を向上させる第一歩です。文書の電子化、デジタル署名の導入、クラウドストレージの活用など、紙を使用しないオフィス環境を構築することで、情報は容易にアクセス可能となり、意思決定の迅速化につながります。テルミックでは、2020年度から基幹システムの改修、新システムの導入を実施するなど「業務のデジタル化」を推進し2022年から「FAXの電子化」や「帳票等の電子化」としてタブレットを導入し、2020年度から3年間で紙の使用量を70%減少させる事に成功しました。

2.ルーティンゼロ:自動化とプロセス最適化

 日常的なルーティンワークや繰り返し作業を自動化することで、従業員はより戦略的な業務に集中できるようになります。業務プロセスの最適化には、人工知能(AI)やロボティックプロセスオートメーション(RPA)を活用し、効率的な業務遂行を実現します。これにより、生産性が向上し、顧客満足度が高まります。テルミックでは、業務のDX化、見える化をするにあたり確認集計などのルーティン作業が多くなっていましたが、様々なツールを使用し業務効率化を図った結果、空いた時間に新たなDX課題に取り組むことが可能となりました。

3.残業ゼロ:労働環境の改善とワークライフバランスの確保

 効率的な業務プロセスと柔軟な労働環境を提供することで、従業員の働き方を改善し、残業を減らすことができます。適切なタスク管理、効果的なチームコミュニケーション、どの拠点からでも同じ情報へ即座にアクセスできる環境作りなど、働き方改革を進めることで、従業員は仕事とプライベートのバランスを保ちながら、生産的に働けるようになります。 テルミックでは、売上増加に伴い、時間外労働が増加傾向にありましたが、ノー残業デイの導入、DX化による俗人化作業の減少、勤怠管理の徹底という3つの取組みを実施し 昨年から時間外労働時間を27%減少させる事に成功しております。

<企業経営及び情報処理技術の活用の具体的な戦略>

生産管理システムにおいては、AI、RPAなどの技術取り込みも視野に入れ、社外の利用可能なデータとの連携等、当社の競争力を強化する仕組みをより進化させています。中でも中国子会社MICとの連携を強化しており、見積から発注までできるだけ人の手を介さずに営業は確認だけとなるように進めています。将来的にはお客様と仕入先を繋ぐいままでにないプラットフォームを作りたいと考えています。

工場においては、紙ベースの管理を減らすことはもちろん、パソコンからハンディ端末、タブレットの使用へ移行し、“移動”という作業をなくすことで、その場で処理を完結できるようにしていきます。また、作業手順を習熟しなくとも直感的に処理ができるインターフェースを構築し、生産性を向上させていきます。

非競争領域のシステムは、クラウド化を一層進め、カスタマイズ等を排除した標準化したシステムに移行させていきます。

 

<推進に向けた社内体制>

当社はDXを推進するため以下の体制を整えています。

  1. 代表取締役を中心に、各グループに1~2名の業務内容に精通しつつ、DXの実行を担う人材を配置
  2. デジタル技術やデータ活用に精通した人材を社内に1名配置
  3. 生産管理システムの開発委託先との連携
  4. 外国籍のSEを2名採用しシステムの内製化を進める(2023/10/9入社)

 

<ITシステム・デジタル技術活用環境>

  1. 生産管理システムは、お見積の受付から出荷までを一気通貫で管理できる仕組みになっています。
  2. 同システムは、必要なデータを任意で抽出し、一般的なソフトウェアで集計、分析などできる機能を有しております。
  3. ネットワークは境界線防御を行っています。
  4. 拠点間は境界線防御によりセキュリティを確保し、テレビ会議システムなどコミュニケーションツールの利用も定着しています。
  5. 拠点には個別にUTMを設置し、外部とのアクセス制御を行なうとともに、テレワーク用PCはUTMを介してインターネットVPNにより社内システムにアクセスすることで、安全な在宅ワークの環境を整えています。

 

以上